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「coyote No.21」

スイッチパブリッシング 1470円

Coyote No.21 特集 柴田元幸が歩く、オースターの街[二〇〇七年、再び摩天楼へ]

 アメリカの現代文学作家ポール・オースターといえば柴田元幸氏。その翻訳のほとんどを彼が手がけています。しかし、オースターが作家としての地位を確立する足がかりとなったニューヨーク三部作の最初の作品は、柴田氏の訳によるものではありません。19年前、20ページほど進んだところで、版権等の関係により氏の訳は中断されたのでした。
 『coyote』は、その幻の『シティー・オブ・グラス』の完全訳を柴田氏に依頼、今回わたし達読者へのお披露目が叶いました。
 それだけでもファンにはたまらないのですが、特集は「柴田元幸が歩く、オースターの街」。小説と重ね合わせながらニューヨークを歩いたり、オースターの自宅にて、ワインのボトルを次々と空けながら「少年の日々」をテーマに対談したり・・・とその内容は、盛り沢山。雑誌とは思えない読み応え十二分な1冊となっています。