1/28（土）‐ 1/29（日）きむらみゆき原画展 もようのないキリンともうひとつの物語

北九州市出身の絵本作家・写真家の木村美由貴さんの展覧会をブックスキューブリック箱崎店2Fギャラリーにて開催いたします。（以下、木村さんより展示概要。）

実家の押し入れから出てきた専門学校の卒業制作「アカシアの木」
主婦時代からお世話になっていた活版印刷　文林堂　社長　山田さんにお見せしたところ、「持っていきなさい」と静かに一言いただきました。
社長の目を知る私は半身半疑でしたが、もし文林堂印刷になれば恩返しができる、、、ただそれだけの思いで図書出版　木星舎さんに持ち込みました。

10分で出版が決まった時は騙されているんじゃないかとスキャンを拒んだほどでした。

出版社からの宿題は登場人物の追加と最後のオチでした。アカシアの木は木を思い、勇気をもらいながら成長していくキリンの話。最後にもようが出てきてめでたしになるこのお話を私は息子に読むことができませんでした。他者と同じになることが必ずしもいいことではないと思ったからだと思います。私は大人になっていました。

「 アカシアの木 」を描いた時、私は身長175cmがコンプレックスでした。でも今は私は私らしく生きている。

なぜライオンと向日葵と星を登場人物にしたのかはわかりませんが、きっと強いものやキラキラしたものに憧れていたのではないかと思い、43歳では飛べない鳥と鳴かないカエルを追加して描かせていただきました。

ラストはもようをなくしたい。
「 ぼくはぼく 」でいきたいと心が決まっていたのでもようを消しました。

もようの出てくるシーンは自分の思い出が強く、また誰もが「鏡の中の自分」って気にするものだから問題提起になると思い、あえて裏表紙にしていただきました。

絵を見て半分は読者それぞれに物語を考えてほしいと思い、言葉を削ぎ落としました。
少ない言葉な分、慎重に言葉を選びました。

24年という時を経て出版された絵本には私の仕事や子育ての経験からガラリと雰囲気が変わりましたが19歳の物語は幼いながらも優しい内容だったため、サイン会やトークショーを経て、今回は原画展に来てくださった方のみぞ知る2つの物語を、印刷が叶わなかった文林堂さんとコラボレーションして小冊子にてお届けします。

「 なんでもよう出てこんの？ 」
「今の私でいいんだと思った」

様々な感想をいただいています。
私が伝えたかったのは
「君は君のままでいいんだ」
ということ。しかし、読者の生き方で感じ方の変わる絵本に仕上がったとかんじています。
誰がどう感じてもいい。
アクリル絵の具をふんだんに使い彩り豊かに仕上がったこの作品をそれぞれの物語で感じてほしいと思っています。

最後は四つ切でもようのないキリンともようの出てくるキリンを並べてファン投票を行いながら、皆さんに「自分らしさ」を考えるきっかけになればと企画させていただきました。

きむらみゆき原画展 もようのないキリンともうひとつの物語

作家プロフィール

木村美由貴（きむら・みゆき）
1978 年生まれ
北九州市小倉で育つ
身長 175cm
北九州のデザイン専門学校卒業
スクールフォトカメラマン、新聞編集に携わる
現在、絵本作家、写真家をして活動しながら子育て奮闘中。

『もようのないきりん』書籍情報（木星舎ホームページ）