11/18(土) トークイベント「古典古典新訳から21世紀の世界文学へ」を開催します。
光文社古典新訳文庫の創刊編集長 駒井稔さんが立ち上げた〝ひとり出版社〟駒井組よりついに書籍が刊行されました。
ドイツ語圏で最も注目される作家、ナヴァー・エブラーヒーミーのデビュー作、「十六の物語」です。1978年イランに生まれた著者は翌年、母親と共にドイツに移住。ケルン大学を卒業後、2017 年本作品を発表し数多くの賞を獲得しました。
古典新訳文庫創刊編集長として世界各国の古典文学を紹介してきた編集者が創業する出版社の第一作がなぜ現代文学、移民文学のこの作品なのかーー多くの海外作品を紹介し、駒井組の創業にも大きな影響を与えてきた福岡の出版社、書肆侃侃房の藤枝さんをゲストに新しい世界文学について語り合います。
駒井 稔(こまい・みのる)
1956 年横浜生まれ。慶應義塾大学文学部卒。1979 年光文社入社。1997 年に翻訳編集部に異動。2004 年に編集長。2 年の準備期間を経て '06 年 9 月に古典新訳文庫を
創刊。10 年にわたり編集長を務めた。著書に『いま、息をしている言葉で。――「光文社古典新訳文庫」誕生秘話』(而立書房)、「編集者の読書論」(光文社新書)。編著に『文学こそ最高の教養である』(光文社新書)、『私が本からもらったもの――翻訳者の読書論』(書肆侃侃房)。合同会社駒井組代表。
藤枝大(ふじえ・だい)
編集者。東京の出版社を経て、現在は書肆侃侃房に在籍。海外文学、詩歌、文芸誌などの編集を手がける。担当した書籍にアン・カーソン『赤の自伝』(小磯洋光訳)、アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ『雨に打たれて』(酒寄進一訳)、ラシャムジャ『路上の陽光』(星泉訳)、ジョゼ・サラマーゴ『象の旅』(木下眞穂訳)など。2018 年に海外文学と詩歌の書店「本のあるところ ajiro」を立ち上げ、イベントを多数実施。海外文学の読書会「ガイブンキョウク」を 2015 年から開催。
前嶋知明(まえしま・ともあき)
1956 年群馬県桐生市生まれ。光文社在籍時には古典新訳文庫
11月18日(土) 箱崎店 創刊より、宣伝、PR を担当。定年退職後、現在は自由業。彼方此方のライブハウスに出没中。
古典新訳から21世紀の世界文学へ
日 時:2023年11月18日(土)19時スタート(18時30分開場)
会 場:カフェ&ギャラリー・キューブリック
(福岡市東区箱崎1-5-14ブックスキューブリック箱崎店2F・
JR箱崎駅西口から博多駅方面に徒歩1分)
出 演:駒井 稔(駒井組)、藤枝大(書肆侃侃房)
進 行:前嶋知明
参加費(要予約):税込2,000円(1ドリンク付)
※オンライン配信も行います。
※終演後「サイン会」を開催いたします。
※イベント参加費とサンドイッチ代金は当日受付にてお支払ください。
※ご予約後の無断キャンセルはご遠慮願います。
▼会場参加チケットのお申込みは以下のいずれかのサイトからお願いします(税込2,000円・1ドリンク付)
①Googleフォーム
https://forms.gle/CsXcfnrksnUy1hHe9
②Peatix
http://ptix.at/bqlUyQ
▼配信チケットのお申込みは以下のサイトからお申込みください(税込1,500円)
・Shopify
【オンライン視聴券】11/18(土)古典新訳から21世紀の世界文学へ
『十六の言葉』
ナヴァー・エブラーヒーミー著
酒寄進一訳
発行 合同会社駒井組(2023/9/20)
定価 2,420 円 (2,200 円+税)
ほかにも言語はあるんだぞ。
おまえの母語だ。
おまえがいま口にしているのが
お前の言語だと思ったらまちがいだ。
21世紀世界文学の最先端がここに。ドイツ語圏の移民文学の旗手が書いたデビュー作、ついに邦訳。三つの文学賞を受賞した注目の小説です。イランで生まれドイツで育った女性モウナーが主人公。彼女の心の軌跡が大変見事に描かれた作品です。祖母の葬儀に出席するために母とイランに戻ったモウナーは、その旅の間に自分の人生を振り返ります。イスラーム文化とドイツ文化のはざまで、自分を見失うことなく生きていく重要性を改めて認識するのです。思い出すのはもちろん亡くなった祖母のこと。仲のよかったドイツ人の旧友のことも記憶に蘇ります。父はイランからドイツに亡命し、最後は失意のうちに亡くなりました。20 代でしばらくイランで過ごした時に知り合った人たち。やがて自らの出生に関わる衝撃的な事実が明かされることになります。
タイトルの「十六の言葉」はペルシャ語です。ドイツでドイツ語を日常的に使って生活をしている彼女にとって ,ペルシャ語は、難しい位置にあります。
「誰しも人生で最初に覚える言葉がある。その言葉が見事にわたしを不意打ちにした。ちょうど、ここで取りあげる十六の言葉と同じように。その言葉から身を守ることは、ただの一度も成功したことがない。『ほかにも言語はあるんだぞ。おまえの母語だ。おまえがいま口にしているのがお前の言語だと思ったらまちがいだ』十六の言葉は繰り返しそういうメッセージを送りつけてきた。わたしは何度も何度もその十六の言葉を突きつけられてきた。」(プロローグより)
著者自身も幼い時に母親とイランからドイツに移住しています。この物語には恋愛もあり、文化の葛藤もあり、そして死もあります。二つの言語の狭間で成長していくことが、どんな困難を引き起こすのか、これは私たちから遠い物語ではありません。今日の世界で様々な形で起きていることですが、この小説はそれを昇華させた見事な文学
作品として読むことができます。
ナヴァー・エブラーヒーミー( navaa・eburaahiimii)
1978 年テヘラン生まれ。翌年、母とドイツに移住。ケルンのジャーナリスト学校に進み、ケルン大学で経済学を学んだ後、ドイツでジャーナリストとして活動。デビュー作の本書でオーストリア書籍賞新人賞、モルゲンシュテルン文学賞、ケルン市書籍賞を受賞。2021 年にはドイツ語圏の作家の登竜門のひとつバッハマン賞を受賞。文字通り注目を集める作家です。
酒寄進一(翻訳)
ドイツ文学翻訳家、和光大学教授。2012年、シーラッハ『犯罪』で第9回本屋大賞翻訳小説部門1位。2021年、コルドン「ベルリン」3部作で日本子どもの本研究会第5回作品賞特別賞。主な訳書にヘッセ『デーミアン』、ケストナー『終戦日記一九四五』、シーラッハ『珈琲と煙草』、ノイハウス『母の日に死んだ』、シュヴァルツェンバッハ『雨に打たれて』など。
<サンドイッチのご予約承ります>
イベント会場では全粒粉サンドとたまごサンドをお召し上がりいただけます。事前予約制にてご注文を承りますので参加お申込みの際に合わせてご予約ください。
★たまごサンド(税込270円)
◎お問い合わせ:ブックスキューブリック箱崎店
TEL:092-645-0630
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