『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』上映会を開催します(ギャラリー)
グロテスクかつユーモアにあふれたクレイアニメーションなど、独創的な世界観で知られるチェコの鬼才、ヤン・シュヴァンクマイエル監督。ティム・バートン監督をはじめ、多くの映画作家やクリエイターに影響を与え続け、日本でも、昨年行なわれた、ラフォーレ原宿、京都文化博物館での展覧会が話題になりました。
今回カフェ&ギャラリー・キューブリックでは、最新作『サヴァイヴィング ライフ ー夢は第二の人生ー』の福岡での公開(8/25(土)~31(金)中洲大洋にてレイトショー)を記念して、ヤン・シュヴァンクマイエルと夫人へのロング・インタビューや撮影風景に迫りながら、その魅力に迫ってゆくドキュメンタリー『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』を上映します。
また、『ルナシー』(2005年)公開時にシュヴァンクマイエル自らが編集した、過去の作品のダイジェスト版映像も特別に同時上映。チェコのシュルレアリストでアートアニメーションの巨匠「ヤン・シュヴァンクマイエル」の素顔に迫ります!
『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界 幻想と悪夢のアッサンブラージュ』上映会
日時:2012年7月13日(金)20:00start(19:30open)
料金:1,500円(1ドリンク付)※要予約
会場:カフェ&ギャラリー・キューブリック
(福岡市東区箱崎1丁目5-14ブックスキューブリック箱崎店2F tel.092.645.0630)
http://www.bookskubrick.jp/
『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界 幻想と悪夢のアッサンブラージュ』(2001年/フランス/58分)
監督:ベルトラン・シュミット/ミシェル・ルクレール
出演:ヤン・シュヴァンクマイエル/エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー
配給:レン コーポレーション
作品解説:
チェコが誇る偉大な映像作家、ヤン・シュヴァンクマイエル。
版画 絵画 コラージュ 独創的なオブジェ マリオネット・・・。彼の作り出す世界は、映像制作にとどまらず、シュルレアリスムを根底とした多彩な表現形式から構成されている。
どこまでもシニカルな視点とブラックユーモアを武器に、かつては社会主義政権と、そして現代では商業主義と対峙し続ける"戦闘的シュルレアリスト"の現在を、『オテサーネク』の撮影現場、チェコで催された展覧会の準備風景を交えつつ、豊富なインタビューと証言で解き明かすドキュメンタリー作品。
「自然科学」「エロティシズム」「食べ物」など、彼の作品を読み解くための重要なキーワードを手がかりに、ヤン自らの言葉で次々と披露される、「アリス」「悦楽共犯者」「オテサーネク」制作の舞台裏。とりわけ、地下室から取り出された、瓶詰めの「アリス」撮影時の小道具の数々は、あたかも収穫物が内側からゆっくり朽ちていく様を晒すかのごとく、「アリス」の世界が、映画完成後も脈々と生き続けていることを如実に証言している。
これらの作品群の誕生にあたり、重要な役割を果たしているのが、ヤンの最もよき理解者であり、公私ともにパートナーでもあった妻、エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーとの「創造的な対話」。互いを一人の作家として尊重しつつも時に意見をぶつけ合い、長年に渡り刺激を与え続けたヤンとエヴァが、チェコで企画された展覧会の準備を、愛犬を伴いながら進めていく映像が収められた本作は、2005年惜しくも他界したエヴァとの創作の日々を記録した貴重な作品となっている。