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「週刊文春」 2009年8月13日・20日 夏の特大号

「福岡を本の街に」
 二〇〇六年、博多で始まった『BOOKOKA』。けやき通りを埋め尽くす約五千冊の古本市が話題となったこのイベントの仕掛け人の一人が大井実さん(48)だ。
 「BOOKOKAは、古本店や出版社の顔見知り同士で、小規模にスタートしました。でもやり始めたらリリー・フランキーさんに特製ブックカバーをお願いしたり、書店員が一人一冊の本を推薦するフェアをしたり、と次々アイデアが出てくる。昨年私が推薦したのは寺田寅彦の『柿の種』。地味でしょ?でも、期間中に数百冊売れたんですよ。カフェで絵本の中に登場するメニューを出したり、『読み聞かせオヤジバトル』という絵本の読み聞かせバトルもやった(笑)。地元のお店同士が協力をして、手作りで盛り上げています」
 きっかけは、やはり出版不況。それでもこのイベントの成功で、地方書店からの仕掛けの可能性を実感した大井さんはこう語る。
「本の世界の入り口を広げる必要があると思います。カバーがかわいいでも、作家がイケメンだ、でもいい(笑)。活字離れが進んでいると言われますが、イベントには若い人、特に女性が一番反応してくれるんです。ベストセラーもいいけど、不当に忘れ去られてしまっている良書も教えてあげたい。本屋さんって、本当はすごく楽しい仕事なんですよ」