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「西日本新聞」 2001年5月11日
<天神ばなな> エッジ通信
「2001年本の旅」
店内は木の床。天井からは白熱灯がともる。ブティックのような雰囲気だが、ここは本屋さんだ。ブックスキューブリックは福岡市中央区赤坂のけやき通りにある。代表の大井実(39)は天神の大手書店や、大きな駐車場のある郊外型書店との競合を避け、この地を選んだ。 最近は、新刊書ばかりをそろえた判で押したような書店が多い。小さいころから本好きの大井は、そんな現状を憂いて自ら書店経営に乗り出した。 目指すは本の「セレクトショップ」。衣料、雑貨店などでは店主の趣味でいろんなブランド品を集めた店があるが、書店ではあまりない。
一方で、特定分野に偏った専門店や、古書や希少本を集めたマニアックな店にするつもりもない。「あくまで“町の本屋さん”の間口の広さを保ちつつ、店の個性を」 店名は、あの「2001年宇宙の旅」のスタンリー・キューブリック監督から。「芸術志向でありながら、興行的にもそれなりに成功した」彼にあやかりたいのだ。もともと仕事はイベント関係で、書店経営は門外漢。でも、志は大きい。「月に一度、特定分野のブックフェアを」「地元著名人が、あるキーワードに沿って推薦する本をまとめて紹介したい」...。さまざまな実験で、人々を本の旅にいざないたいのだ。