中央公論新社 1,260円
手間と元手をかけた"趣味的"な本
村上春樹作品では、ここぞというときに印象的なフレーズや音楽が登場します。それらは彼の作品になくてはならない要素であり、各作品の深層部ともいえるかもしれません。
そんな村上氏の音楽に対する"趣味的"、という名の知識と愛情が詰まった本書。自身のコレクションの中から29曲を厳選し、翻訳歌詞と解説付で紹介するというなんとも贅沢な内容です。装幀・挿絵は和田誠氏。
村上春樹ファンのみならず、音楽好きにも読んでほしい1冊。"趣味"を媒介とした作者と読者の交流をお楽しみください。(梅)