平凡社 1,890円
"この世におさらばすることになりました。"
戦後を代表する女性詩人、茨木のり子氏。本書には、彼女が死を迎えるその瞬間まで住み続けた自宅の写真が多数掲載されています。「倚りかからずの椅子」や、自筆原稿、家族写真など、詩人茨木のり子の生涯を垣間みることができる内容です。もちろん写真に添えて詩も何篇か収録されており、特に巻末にある、生前書かれた自筆の遺書が読者の心を打ちます。
「茨木のり子の家」は彼女の意思で残され、今も時を刻み続けています。家主がいなくなってひっそりとしたその家の写真を見ていると、自分もこの人のような生き方がしたいなぁとただただ憧れてしまうばかりです。(梅)