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「春宵十話」 岡潔
光文社 500円
~古くて新しい教育論。頭の前に心を育てろ!~
この本は、明治生まれの世界的数学者"岡潔"が、1960年代初め、当時の若者や社会の現状を憂いて書いた教育・人間論です。
こう聞くとなんだか難しそうですよね?それが、そうでもないんです。まじめな内容なのに全体にくすりと笑えるユーモアがただよっていて、おもしろい例えを使って大切なことを教えてくれています。
例えば、数学をスミレの花にたとえてみたり、人を渋柿の台木に接木した甘柿の芽にたとえたり、智力を読書の際の電燈の光にたとえてみたり・・・。
岡先生は"情緒"や"道義心"(=思いやりの心や正義心など)を養う教育の重要性について、くりかえし説いていますが、それは、現代に生きる私たちにとっても、十分に考えさせられる内容でした。
この本が世に出て40年以上が経過しました。この本の中で、岡先生は「心配すべきことをちっとも心配しないという傾向がますますひどくなっている」と嘆いています。
そろそろ私たちは、本気で心配し、彼の警告に耳を傾け行動しなければいけないのかもしれません。(高瀬)