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「光さんの贈りもの」 大原哲夫 編

大原哲夫編集室 3,675円

光さんの贈りもの―林光、ピアノを弾きながらの講演と未完自叙伝 CD付

 昨年80歳で亡くなられた、日本語オペラの創作などで知られる作曲家・林光さんの遺した言葉、演奏が1冊の本と2枚のCDになりました。林さんが「私のピアノ放浪記」「モーツァルトの仕事部屋」と題し、講演を行なった様子や、ご自身が問答形式で書き進めた幼少期から少年期までの自叙伝が収められた魅力ある内容です。
 出版したのは林さんと親交のあった編集者・大原哲夫さん。2008年に開設した大原哲夫編集室初めての自社刊行物とあって、大原さんの思いも詰まっています。生前「いつか本にできたら」と渡されていた未完の自伝原稿。本にするべく打ち合わせを進めようとした直後、林さんは自宅で転び入院、そして意識の戻らないまま亡くなられたそうです。大原さんはこの「林さんから託された宿題」を「世に出さなくては」という思いでこの本を作り上げたといいます。
 林さんは音楽評論家の故・吉田秀和さんが『日本のモーツァルト』と称した素晴らしい作曲家であり、当店が今年・昨年と開催したオペラの劇団「こんにゃく座」の芸術監督・座付き作曲家をされていた方でもあります。日本を代表する偉大な作曲家の誕生過程が、自身のユーモアあふれる言葉で語られています。また、付録のCDでは、林さんが講演を進めながら演奏するピアノをたっぷりとお聴きいただけます。大変貴重な内容を収録したCD2枚つきですが、3,675円ととてもお得な価格になっています。
 装丁もすばらしく、贈り物にも最適です。通常の書店では取扱いの少ない本でもありますので、是非店頭でお手にとられてご覧ください。(か)