新潮社 1470円
小林秀雄に天才と言わしめ、白洲正子が師と仰いだ男 青山二郎。骨董、絵画、装丁などの世界で超一流の仕事を残すが生涯定職を持たず、独自の眼力を持って美の世界を追求したその生涯は奇跡的です。
小林秀雄、河上徹太郎、永井達男、中原中也、大岡昇平らが夜ごと集い酒を酌み交わしながら議論を重ねたという通称「青山学院」の話や、多彩な交流から生まれる伝説的なエピソードの数々は、白洲正子の「いまなぜ青山二郎なのか」や宇野千代の「青山二郎の話」などに描かれています。
別冊太陽の「青山二郎の眼」が長らく品切れになっている現在、ビジュアルなかたちで青山二郎を知るには格好の入門書の登場といえます。