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「白洲次郎・正子の食卓」 牧山桂子

新潮社 2730円

白洲次郎・正子の食卓

 「次郎さんは、おせちのお重に入れる小さな器を作るために毎年庭から竹を1本切り出しました。」という文章とともに新春の樺山家(正子さんのご実家)流車えびのお雑煮からはじまり、春は炭火で焼いた筍に山椒鍋、夏の軽井沢での朝食に秋の松茸、冬の夜には温かいスープ...。
  和洋中、韓国料理、エスニック、デザートと四季折々の白洲家の食卓にのぼった数々の料理が夫妻のご長女にあたる著者により再現され、エピソードとともに紹介されている本書。
 味にうるさい夫妻を満足させた料理が素晴らしいのはもちろんですが、美しいものをよく知る白洲家ならではの豪快にして絶妙な器づいも必見です。 
 夫妻が、国内・外を問わず飛び回り、精力的な活動を続けられたのは、愛娘の愛情がこもった料理と家族で食卓を囲む温かさがあったからこそなのかもしれません。

白洲次郎・正子の食卓