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「次郎と正子 娘が語る素顔の白洲家」 牧山桂子
新潮社 1470円
孤高の夫婦、白洲次郎・正子夫妻の娘が語った知られざる白洲家のエピソード集です。
「執筆するより、運動会におにぎりを作ってくれるお母さんのほうがいい」とは、母・正子氏について著者が幼き頃に抱いていた願い。どこまでもマイペースに自分の生活スタイルや価値観を貫いていく正子と、やはりどこまでもダンディな次郎氏。
確かに「普通でない」家庭なのですが、その「普通でない」っぷりが、著者の両親への愛情とユーモアが行間に溢れる文章で優しく綴られており、読み進むにつれ今までの「白洲夫妻」にまつわる作品には無かった親近感のようなものを感じてしまいます。
しかし、さすがは「白洲家」。著者の少女時代の目線で綴られる大物財界人や正子氏の目利きにかなった逸品が、幼き頃の思い出の端々に顔を出し、読む者の姿勢をピリッと正します。
著者自身が「おかしなひとたち」と語る、素顔の「次郎と正子」。ちょっと覗いてみたくなりますよね。