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「冷蔵庫のうえの人生」 アリス・カイバース
文芸春秋 1260円
冷蔵庫の上に残された母娘のメモのやりとりだけで話が進んでいくという一風変わった小説です。
いつも忙しい産婦人科医の母と、ちょうど思春期まっただ中の15歳の娘が、それぞれの伝えたいことを日々冷蔵庫の上にメモ書きにして貼っておく・・・。その後、悲しい現実がふたりにふりかかってくるのですが、話だけを追っていくとありふれた内容といえるかもしれません。
しかし、私たちが読むことができるのは短いメモだけ。だからこそ、2人の状況や心情を読み手に想像させるのだと思います。
普通に"明日買ってきてほしいもの"のリストが淡々と書いてあったりすることで、余計に心が震えてしまいます。男の人も少し涙がでちゃうかもしれない、そんな本です。 (H)