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「問題があります」 佐野洋子
筑摩書房 1575円
「家族とは」、「夫婦とは」、「女とは」そして「老いるということ」・・・。
佐野洋子さんの最新エッセイ集です。戦後を時には深く深く傷つきながらも、それでもたくましく駆け抜けていく著者の生い立ちに基づいたエッセイは、毎回読み応えがあります。
様々な形で存在する愛について、また誰もが直面し避けられない老いるということをユーモアを含みつつも、著者の真の言葉で綴ってあります。決して、重たい言葉でたたみかけてくるわけではなく、サラリと軽く、それでいてチクッと心に刺さり、永く忘れられない言葉のセンスには脱帽です。
佐野洋子さんのエッセイが初めての方は、できれば「神も仏もありませぬ」、「シズコさん」、「役にたたない日々」などを先に読んでいただくと、彼女の深い生い立ちがわかり、このエッセイ集にもっと違った形で入り込んでいただけると思います。是非!(松崎)