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「ナポリのマラドーナ」 北村 暁夫

山川出版社 ¥ 1,365

 このタイトルを聞いてピンとくるのはある年齢以上のサッカーファンでしょうが、この本は今から16年前のW杯イタリア大会の準決勝イタリア対アルゼンチン戦がモチーフとなっています。とはいえ、サッカーに関する本ではなく、この試合が単なるスポーツを超えた社会的注目を集めたその背景にあるイタリアの南部問題や移民問題を解説したものです。

 教科書でお馴染みの版元山川出版社から出ていることからもわかるとうり一種の歴史本なわけですが、切り口が斬新なため、お勉強くさくならず講談を聞いているようなかんじで興味深く読み進めることができます。
 日本では明るいイタリアのイメージばかりが定着していますが、その背後にある陰の部分を知るのに手頃な本といえるでしょう。

ナポリのマラドーナ―イタリアにおける「南」とは何か