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人は愛するに足り、真心は信ずるに足るーアフガンとの約束 中村哲・澤地久枝(聞き手)
岩波書店 1995円
アフガニスタンの荒涼な大地で1本のシャベルを手に水を引き、大地を潤してきた医師、中村哲氏だからこその憂いであり、怒りであり、希望が凝縮された1冊だ。
正義の名のもとに長い間、そして今現在もアメリカをはじめ、日本を含めた国際社会という名の空虚な存在に苦しめられているアフガニスタン。氏は言う。「アフガンの人々がほしいものは何よりも水です。戦車でも武器でもない。水があれば食事ができ、家族が同じところで幸せに暮らせる。アフガンの人は日本人のように欲望が大きくない。水。それだけで良いのです」
アフガンにはアフガンの暮らし、文化、伝統がある。そんな土地に土足で上がりこみ、正義という価値観を押し付けることの傲慢さ。「人の役に立つ」とはどういうことなのか、「人の幸せとは何なのか」。本書は作家の澤地久枝氏との対談で進むが、中村氏の生い立ちや家族のことなどまで深く、細かく語られている。きっとあなたの胸にも氏を通してアフガンからのメッセージが届くはずだ。(くぎ)