6/24『ゲストハウスがまちを変える』刊行記念 渡邊崇志×田村あやトークイベントを開催します。
『ゲストハウスがまちを変える-エリアの価値を高めるローカルビジネス』(学芸出版社)の刊行を記念して、著者の渡邊崇志さんと、雑誌『TRAVEL UNA』(トラベルユーナ)編集長の田村あやさんをお迎えしたトークイベントを6月24日(金)にブックスキューブリック箱崎店で開催します。
13年前に品川で開業した「ゲストハウス品川宿」を起点に、これまで4軒の宿を運営し、全国で開業希望者を支援してきた宿場JAPANの渡邊さん。
一方、田村あやさんは2020年に日本語と英語の二か国語によるトラベルガイド『TRAVEL UNA』を出版し、クラフト&アート体験ツアーをスタート。昨年は、八女市に古民家を改装し本屋を併設した宿「Craft Inn 手 [té]」 を開業しました。
トークイベントでは、お二人の取り組みをご紹介しながら、日本のゲストハウスカルチャーの変遷と魅力、宿泊業でまちを面白くするヒントやローカルビジネスの可能性など、ざっくばらんに語りあっていただきます。是非多くの皆様のご参加をお待ちしています。
『ゲストハウスがまちを変える』刊行記念
渡邊崇志×田村あやトークイベント
(福岡市東区箱崎1-5-14ブックスキューブリック箱崎店2F・JR箱崎駅西口から博多駅方面に徒歩1分)
出 演:渡邊崇志(株式会社宿場JAPAN代表取締役)
※オンライン配信も行ないます。
※ご予約後の無断キャンセルはご遠慮願います。
※終演後「サイン会」を開催いたします(当店でお買い上げの本以外の持ち込みはご遠慮ください)。
▼会場参加ご予約はこちら
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▼オンライン参加ご予約はこちら(視聴のみ1,000円/書籍付3,500円*送料込)
視聴のみ → https://store.shopping.yahoo.co.jp/kubrick/20220624.html
書籍付(通常より500円ほどお買得です!*送料込) → https://store.shopping.yahoo.co.jp/kubrick/202206242.html
◎お問い合わせ:ブックスキューブリック箱崎店
TEL:092-645-0630
Mail hakozaki@bookskubrick.jp
<新型コロナウイルスの感染拡大防止対策について>
*必ずマスク着用でお越しください。
*入口にアルコールスプレーをご用意いたしますので手指の消毒をお願いします。
*席の間隔を確保するため、定員を減らしております。
以上、ご協力をお願いいたします。
【渡邊崇志さんプロフィール】
株式会社宿場JAPAN 代表取締役。1980年生まれ。明治大学商学部卒業。リッツカールトンなど複数のホテル勤務を経て、2009年外国人旅行者向け宿泊施設「ゲストハウス品川宿」を開業。
2011年株式会社宿場JAPANを創業し、地域融合型宿泊事業のビジネスモデルを構築する。東京で一番小さいホテル「Banba Hotel」「Araiya」、アパルトマンタイプの民泊「kago#34」を運営。また、2011年からゲストハウス開業希望者を支援する事業も展開し、これまでに全国7地域で実現。
【田村 あや(たむら あや)さんプロフィール】
1980年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同大学院文学研究科修了。2015年から福岡で暮らすなかで、九州には東京とは異なる文化があることを感じるようになる。同時に、観光関連の仕事に携わる中で、九州における文化ツーリズムの可能性を見出す。2019年にUNAラボラトリーズに参画。国内旅行業取扱管理者。
●『ゲストハウスがまちを変える-エリアの価値を高めるローカルビジネス』(学芸出版社)概要
「宿泊業で街を面白くする!10年の実践を凝縮」
まちに開かれた宿を営むことは、最高のローカルビジネスだ! 品川で4軒の宿を営み全国で開業を支援する経営者と、200軒の宿を取材した編集者が語る、宿泊業でまちを面白くするノウハウ。多様な人が行き交い、まちの魅力を発信する場の作り方、それを起点にした変化のプロセスとインパクトを解説。日本のゲストハウス史も収録。
体 裁:四六・288頁・定価 本体2300円+税
ISBN:978-4-7615-2814-0
発行日:2022-04-10
出版社HP → https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-book/9784761528140/
弊店オンラインショップ → https://store.shopping.yahoo.co.jp/kubrick/00458.html
本書「はじめに」から
本書は、2009年10月に「ゲストハウス品川宿」を開業し、2年後の2011年3月、株式会社宿場JAPANを立ち上げ、スタッフと共にこれまで4軒の直営ゲストハウスを開業し運営してきたノウハウや、他の事業者さんのゲストハウス開業を支援してきたノウハウをまとめたものです。
僕がゲストハウスを開業した2009年当時、ゲストハウスという存在は国内でほとんど認知されておらず、東京でもゲストハウスと看板を掲げている店舗は2~3軒ほどしかありませんでした。旅館やホテル、コテージ、グランピングなど数ある宿泊施設の中でも、ゲストハウスはインバウンド比率が高く、他のゲストとの交流を重視した空間設計がなされているのが特徴です。
日本のゲストハウスは、1970年代のオイルショックを受けて、80~90年代に代々続く旅館を外国人向けの小さな宿に展開させたことからスタートします。2000年代に入って、物件を借りて小規模なゲストハウスを始める個人事業者が登場しました。2010年代になると、空間のデザイン性の向上や飲食店の併設、まちづくりや遊休不動産の活用など、付加価値を高めた宿が増加したことから認知度や稼動率が上昇し、初期投資をかけても成立する事業として、異業種からの参入も相次ぎました。並行して、女性オーナーの宿も増え、女性ユーザーも増加していきました。
2019年までの観光業界は、インバウンドが年々増加し、東京オリンピックを見据えて、宿泊施設が急増していました。2010年ごろは国内に200~300軒ほどしかなかったゲストハウスが、2020年には約2500軒と、10年で約10倍に増加したのです。しかし、こうした観光業界の盛り上がりに反して、現場にいる僕らはモヤモヤした気持ちを抱いていました。大手企業の新規参入による価格・サービス競争の波を受け、小規模宿泊施設の存続を考えさせられることが度々あったからです。
ゲストハウスをはじめとする小規模宿泊施設は、売上という目的以外に、たくさんの社会的役割を果たせると僕は考えています。その役割の一つとして、地域の課題を解決し、多様な文化を醸成するまちづくりが挙げられます。僕らが掲げる理念は「『SHUKUBA』の輪を全国に」です。ここで言うSHUKUBAとは、世界中のさまざまな人々を受け入れ、お互いの文化を尊重し、地域の人々と共に暮らすコミュニティを意味しています。そういった多様な文化が共生する地域のハブ=ゲストハウスをつくりたいと考えてこれまでやってきました。どの街にもさまざまな地域づくりのプレイヤーが活動されていますが、そのなかに、もし“宿”をきっかけに多様な文化が生まれる地域づくりを行いたいと思っている方がおられたら、僕のこれまでの経験が何かの役に立つかもしれない。そんな思いで、「スタートアップから10年後の現在に至るまでの、小規模宿泊施設の開業や多店舗展開、人材育成、サービスデザイン、他の事業者への開業支援、そして地域づくりのノウハウを伝えること」を目指して、本書を出版することにしました。
本書は多くの方々にご協力いただいて完成することができました。まず、「ゲストハウス情報マガジン FootPrints」の運営者で業界に最も精通する1人として自らの知見も織り交ぜながら膨大な執筆・編集作業を担当してくださった前田有佳利さん、インタビューや取材でお世話になった各地の運営者の方々、そして出版を実現してくださった学芸出版社の宮本裕美さんほか、多くの皆さんのご協力に心よりお礼申し上げます。
本書の制作の過程で新型コロナウイルス感染症という予期せぬ事態に直面し、何度か挫折しそうにもなりましたが、逆境に屈せず、地域と連携した宿泊事業の可能性を信じて自社の運営をなんとか継続できたことで、本書にもその経験を反映し、より一層深く強いメッセージが盛り込めたと感じています。本書が、宿泊事業者だけでなく、地域づくりや多様な文化交流などに取り組む方々にも参考にしてもらえることを願っています。
地域に根ざした宿を運営する日常は、まるで旅のようです。日々顔を合わせる地域の人々と、さまざまな場所からお越しくださるお客様、多様な人々と出会いながら、暮らしの楽しみを共有する時間は素晴らしいものです。僕がこれまで、東京の品川をメインエリアに宿泊施設を10年以上続けてこられたのも、こうしたさまざまな出会いのおかげだと思っています。その出会いに心より感謝申し上げます。
株式会社宿場JAPAN 代表取締役
渡邊崇志