福岡・けやき通り&箱崎の小さな本屋 ブックスキューブリックIndependent Small Bookstore in Fukuoka since 2001

第2回「ニューフェイス」

 箱崎に、通称「大学通り」と呼ばれる通りがある。
 九大の移転が進むなか、その名の宿命であるかのようにように、空き店舗の文字が目立つ。
箱崎に住み始めてからの3年間だけでも、いくつかの店が灯りを消した。だが去年の暮れ、ちょうどキューブリックのオープンに前後して、いくつかの気になる店がオープンした。
 例えば賑やかな店構えが多い通りに、ひと際シンプルなファサードが気になった。程よい違和感は周辺の景色まで新鮮に見せる。こちらは「こ村」という和食のお店、味も繊細で美味しいとの評判だ。
箱崎2.JPG
 例えば「なんか大学通りにレゲエのTシャツ屋さんができたらしいよ。」という噂が気になった。
あの昔ながらの店が多い通りにレゲエ?? 確かめに行ってみると、 「旅するシャツ屋アジアンラティーノ」とある。ラスタカラーの目立つ店内は、これまた町のアクセントだ。
 2階に上がるとゲバラにジミヘン、ボブ・マーリーやフリー・ダ・カーロなど、かなりの面魂がプリントされたTシャツがずらり。雑貨や本なども面白く、思わず時間が過ぎる。2階建ての店内を選び疲れた時は、ゆっくりお茶もできるようだ。
 例えば「箱崎水族館喫茶室」という看板が気になった。よく見ると「ヴァイオリン修理します」ともある。さらに気になる。水族館-喫茶-ヴァイオリン、、、、どうイマジネーションを振り絞っても、つながりが見出せない。思いきって入った店内は、いたってシンプル。魚なんて1匹もいないじゃないですか。なぜにこのネーミング?
 実はこちらの奥様が、明治の頃箱崎にあったという水族館の館長の、ひ孫さんにあたるそうだ。
音楽関連のイベントも多く開催されていて、なるほど合点。往時の箱崎ポストカードなどもあって面白い。
 得心して表に出ると、その向かいではコツコツと内装作業をされている物件が。いい雰囲気だ。またも気になる。工事中の店内にお邪魔して聞いてみると、cafeになります、との答え。先日、オープンしたここ「buenos」。夜はバーとしても営業されている。手作業の温もりを残した店内が、なんとも心地よい。
 このように、キューブリックも含め、テイストなどはバラバラな店がなぜか同時多発的にオープンしている。共通しているのは、オーナさんの'好き'な感じがフリー&ストレートに提示されていることだろう。慣らされていない空気が、どの店でもくつろぎをあたえてくれる。似たようなお店が寄り集まる傾向が多いなかで、この抜けのよさが箱崎の魅力かもしれない。
 そして今週末、また2件のお店がオープンする。(詳細は箱崎ホットニュース参照) 場所は2件とも大学通りから少し歩いたところで、散策の楽しみも増えそうだ。5月の爽やかさのなかに、町の呼吸を感じる。 (大鶴)

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