最後の著作『国のない男』の出版から9年、あらたにカート・ヴォネガットの言葉をまとめた本が出ました。『これで駄目なら』は、現代アメリカ文学を体現する作家のひとりであるヴォネガットが各大学で行った講演を編纂したものです。講演テーマは「金の稼ぎ方、愛の見つけ方」、「わたしがトマス・ジェファーソンの悪口を言ったって、あなたたちにはどうにもできない」、「大学に行ってないとか気にするな!」など。そのタイトルからして興味をそそられます。表紙の大半を占める帯には、こちらを見つめるヴォネガット。装丁もすてきです。(か)
飛鳥新社 1,728円