「まっ直ぐに本を売る　ラディカルな出版「直取引」の方法」石橋毅史

　トランスビューという出版社をご存知でしょうか。通常、出版社と書店との間には取次という出版流通業者があり、そのルートを通って本は書店に入荷するのですが、トランスビューは取次に頼らない直取引系出版社のひとつです。当店をはじめ多くの書店がお世話になっており、昨年のブックオカではトランスビュー代表の工藤秀之さんにご参加いただきました（その模様は『本屋がなくなったら、困るじゃないか』（西日本新聞社）として書籍化されています。）
　『まっ直ぐに本を売る』はトランスビューの直取引方法を徹底的に解剖した本です。著者は、トランスビュー方式が「不況」の出版業や書店業をささえる「ひとつの方法」だと言います。本書は「いつか小さな出版社を立ち上げようと考えている人」に向けて書かれたものですが、本に携わる業界に興味がある方にも参考になる1冊です。

苦楽堂　1,944円（1,800円+税）